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意思決定

監理団体のシステム導入にかかる期間と進み方

監理団体が仕組みを持つとき、決裁から運用開始までにはおおよそ2〜3か月かかります。要件把握に2週、個別の作りこみに4〜8週、そして運用へ。各段階で事務局側に何の負荷が発生し、どこが遅れの原因になりやすいかを事前に整理します。

Guida合同会社

決めたあとの見通しが立たない

理事会で承認が下りた。契約も済んだ。そこから先が見えない、という声をよく聞きます。

事務局長の立場からすると、心配なのは費用よりも時間です。この2〜3か月のあいだも、監査は回り、訪問指導は行われ、在留期限は近づいてきます。 通常業務が止まらないまま、導入の作業が上乗せされる。そこにどれだけの負荷がかかるのかが分からないと、着手の判断ができません。

「導入作業は当方で進めます」という説明を受けても、実際にはそうならないことを、事務局は経験的に知っています。何かしら、こちらが答えなければならないことが出てくる。その量が読めないことが、不安の中身です。

ここでは、その2〜3か月に実際に何が起きるのかを、事務局側の負荷という観点から整理します。

なぜ既製品をそのまま入れるのでは終わらないのか

先に、期間が必要になる理由から説明します。

監理団体の業務は、制度で決まっている部分と、団体ごとに固有の部分に分かれます。この後者が、思われているより大きいというのが実情です。

たとえば、監査報告書に記載する内容の粒度。制度上の要求は共通でも、どこまで詳しく書くかは団体ごとに慣行があります。訪問指導記録の書式も、様式に加えて独自の確認項目を持っている団体が少なくありません。受入企業とのやり取りの順序、在留期限の何か月前から動き始めるか、届出をどのタイミングでまとめて処理するか。これらは団体ごとに違います。

そして、この違いは間違いではありません。 それぞれの団体が、受入企業の業種や規模、地域の事情に合わせて作り上げてきたものです。既製品の型に合わせて業務のほうを変えると、これまで機能していた運用が壊れます。

さらに、育成就労への移行に伴う様式や運用の変更が重なる局面では、変更前後の両方を扱える必要が出ます。既存の書類は前の様式で作られており、新しいものは新しい様式になる。ここをどう扱うかは、団体ごとの状況によります。

個別に作りこむ期間が要るのは、この固有部分を移すためです。 期間の大半は、技術的な作業ではなく、いまの運用を正確に写し取ることに使われます。

各段階で何が起きるか

要件把握(およそ2週)— 事務局の負荷が最も高い期間

最初の2週間が、実は事務局にとって最も負荷のかかる期間です。ここを軽く見ると、後の工程がすべて遅れます。

この期間に行うのは、現在の業務の棚卸しです。監査、訪問指導、相談対応、届出、在留期限の管理について、誰が、いつ、何を見て、どの書類に何を書いているかを洗い出します。

事務局に発生する具体的な作業は、次のようなものです。

  • 現在使っている様式・書式の提供 — 22号をはじめとする各様式に加え、独自に使っている一覧表やチェック用のExcelも含みます
  • 実際に作成した書類の提供 — 空の様式ではなく、記入済みのものが必要です。記載の粒度や書きぶりは、埋まったものを見ないと分かりません
  • 担当職員へのヒアリング — 1名あたり1〜2時間程度。書式に書かれていない手順が、ここで出てきます
  • 例外的な処理の確認 — 「この企業だけは違う」「この時期だけは前倒しする」といった例外が、どの団体にも必ずあります

この4つ目が、最も抜けやすく、最も重要です。 例外は日常に溶け込んでいるため、聞かれないと出てきません。そして運用開始後に「これができない」となる原因の大半が、この段階で出なかった例外です。

期間の目安は2週間ですが、担当職員の時間が確保できるかで前後します。 監査が集中する時期と重なると、ヒアリングの日程が組めずに延びます。着手時期を選べるなら、繁忙期を外すほうが結果的に早く終わります。

個別の作りこみ(およそ4〜8週)— 事務局の負荷は下がるが、確認は発生する

要件把握が終わると、事務局の直接的な作業は減ります。ただし、ゼロにはなりません。

この期間に発生するのは、確認と修正の依頼です。作りこんだものを見て、「この欄の書きぶりはこれでよいか」「この順序で合っているか」を判断する必要があります。この判断ができるのは、実際にその業務をしている職員だけです。

4週で済むか8週かかるかを分けるのは、主に次の点です。

扱う範囲の広さ。書類作成と期限管理に絞るのか、面談記録や相談対応まで含めるのか。範囲が広いほど、当然長くなります。

既存データの状態。現在の情報がどこにどう保管されているかによって、移す作業の重さが変わります。一箇所のExcelにまとまっている場合と、担当者ごとのフォルダに分かれている場合とでは、かかる時間が違います。

確認の返答速度。これが最も効きます。確認を投げてから返答までに1週間かかる状態が続くと、待ち時間だけで数週間が積み上がります。期間を短くしたい場合、事務局側で確認の窓口を1名に決めておくのが最も効果があります。

運用開始 — 並行期間を置くかどうか

運用開始の形は、二通りあります。

ひとつは、切り替え日を決めて一斉に移る形。もうひとつは、一定期間は従来のやり方と並行して動かす形です。

監理団体の場合、並行期間を置くほうが安全です。理由は、在留期限や届出の期限に取り返しがつかないためです。切り替え直後に想定外のことが起きたとき、従来の手段が残っていれば期限は守れます。

並行期間中は、同じ作業を二重に行うことになるため、一時的に負荷が上がります。この期間をどれだけ取るかは、監査のサイクルを一巡させられるかどうかが目安になります。一巡すれば、年間の主要な処理はおおむね出尽くします。

なお、運用開始は完成ではありません。実際に使い始めてから出てくる要望は必ずあります。そこからの調整まで含めて導入だと考えておくと、期待とのずれが起きません。

AI側と人側の境界線

導入期間中の分担も、運用開始後と同じ線で引かれます。

仕組みの側が担えるのは、現在の書式や既存データの構造を読み取り、移し替える作業です。 一覧表の項目を整理すること、様式の欄と情報の対応をつけること、過去の書類を検索できる形に揃えること。これらは、正解が決まっている作業です。

人が担うのは、何を正解とするかを決めることです。

たとえば、監査報告書のこの欄に、さくら協同組合としてどの粒度で書いてきたのか。株式会社サンプル製作所のような特定の受入企業について、なぜ通常と違う扱いをしてきたのか。訪問指導記録のこの項目は、制度上の要求なのか団体独自の判断なのか。在留期限の何か月前から動くと決めているのは、どういう経験に基づくのか。

これらは、記録を読んでも分かりません。 書類には結果だけが残っていて、そう決めた理由は残っていないためです。理由を知っているのは、その運用を作ってきた職員だけです。

だから、要件把握の2週間で担当職員の時間が要るのです。この期間に人が引き受けるのは作業ではなく、「なぜこうしているか」を言葉にすることです。ここが仕組みの側に移れば、その後は人が繰り返し説明しなくてよくなります。退職時に運用がゼロに戻る問題も、同じ理由で軽くなります。

そして運用開始後、人が担う範囲は変わりません。訪問して見て判断すること、面談で相手の状態を読み取ること、監査報告書の内容を確定させ、組織の名前で提出すると決めること。導入とは、この人の仕事に使える時間を増やすための2〜3か月だと考えるのが実態に近いと思います。

まず、いまの業務を洗い出すところから

ここまで書いたとおり、期間を左右するのは要件把握の段階です。そして、そこで必要になるのは、現在の業務が工程ごとに見えている状態です。

これは導入を決める前でも、単独で意味があります。どこに時間がかかっているかが分かれば、そもそも何を仕組みに任せるべきかの判断もつきます。

監理団体の業務を工程ごとに洗い出す手順をご用意しています。詳しくはオンラインデモのページをご覧ください。

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